新人教育に関するプランです。(機械加工編)



全くの初心者が利益を生み出せるようになるまで。(中小零細企業向け)


中小零細企業なら絶対に大手企業の真似をしてはいけません。中小零細企業の場合は新人教育にかける 時間や労力が足りません。また新人さんには一刻も早くベテラン社員と方を並べる位に成長する必要が あります。大手もかつては中小零細企業でした、そのころは中小零細企業のやり方に徹してやっと大手に なりました。あなたの会社が中小零細企業なら絶対に大手企業の真似をしてはいけません。

新人さんには実機で加工をしながら、体で覚えてもらい、授業形式のスタンスはとりません。

概略
  1. 手の動き
  2. 機械に関する知識
  3. 工具に関する知識
  4. 測定器の知識
  5. 被削材に関する知識
  6. 図面の見方に関する知識

最初の3ヶ月間

個人差、加工内容、その他の事情があるため期間は指導者が柔軟に変更します。

この時期に一番重要なのが指導者の作業態度です。新人教育は殆ど必要ありません。新人さんは 指導者の動きに影響されて「自分もそのようにしなければ」という気持ちになります。こんなこと大手さんは 教えませんね。大手さんなら最初は間違いなくつまらない授業を永遠と続けて、新人さんは永遠と居眠りをします。 「タングステンが何パーセントだとか、切削速度が何メートルとか、金属の脆弱温度が何度とか、超硬、ハイス、 サーメット、CBN~~~~~~~」項目をあげればとっても、一週間や二週間で説明できる量ではありません。

1.手の動き
  1. 指導者はいつも早歩き、いつも急いで作業。
  2. 指導者はいつも時間厳守、始業のベルが鳴ったら即作業、終了のベルが鳴ったら即終了。
  3. 指導者はいつも時間を無駄にしない。
  4. 指導者はいつも~~~~
この時期は指導者の指導(自分の指導)に徹してください。

 

2.機械に関する知識
  1. 機械の概要だけ教えましょう。詳しいことはまだ先です。
  2. 危険な作業で無い限り、新人さんの作業にケチをつてはいけません。新人さんは新人さんなりに考えて その作業をしています。ここで過度にケチを付けると、次回から新人さんは自分で考えて作業すると「また注意されるな」 と感じて自分の考えで行動するのを止めてしまいます。もしあなたの会社の加工品が毎日毎週毎月同じ物の加工でないならば 自由に加工させてください。
  3. NC機の場合は画面操作を覚えるだけでもかなりの時間を要します。間違っても大手さんのように「このパラメーター はこう、この画面はこう、このボタンはこう」など必要の無いものを全部教えようとしてはいけません。眠くなるだけです。 そんな時間があるならもっと実践加工をさせてあげてください。
  4. 過去にあった事故については教えておきます。例えば手袋をはめたまま作業をして巻き込まれたとか。
  5. 本人と機械の神経がつながることが重要です。できる限り機械に触らせてください。
新人さんが機械の知識を深めようとするか、しないかは指導者しだいです。

 

工具に関する知識
  1. 金属の加工経験がない場合、工具にどれほどの力がかかっているのか全く検討がつきません。 機械が加工しているところを見ていると、りんごの皮でもむいているようにいとも簡単に切っているように 思えてしまいます。それでは困りますので下の画像のように刃物を手で持って実際に手の力で金属を切って もらいましょう。たぶん切れませんね。工具には相当な力がかかっている事を認識してもらいます。
  2. 大手さんのように工具の授業などしてはなりません。この時期は「刃物はこのような物がある」とか「チップ」 は超硬とサーメット」とかその程度だけ教えます。それ以上はまだ先です。
  3. 各工具メーカーの講習が時々ありますがこんなのはもってのほかです。一例ですがメーカーの講習では「300番台のステンレス は切削したところが加工硬化するため切り込み量を多くしましょう」なんていうことをいまだに教えます。こんなことを 鵜呑みにされたらこまりますね。大手さんなら必ずメーカーの講習に行かせるんでしょね。

この時期に教えることの一例

超硬工具とは

主成分であるWC(タングステンカーバイド、炭化タングステン)に、Co(コバルト)又は、Ni(ニッケル)を結合剤(バインダ)として加えたもの。
大まかにK種、P種、M種の 3種類に分類されています。
  • P種とは
    ある程度磨耗性に優れていて、ある程度欠け難い。
    炭素鋼、合金鋼に向いています。
  • K種とは
    逃げ面摩耗に優れている。
    非鉄金属(アルミ・銅・真鍮)に向いています。
  • M種とは
    耐熱性に優れ、欠け難い。
    ステンレスに向いています。
この程度でOKです。

チップを手で持って金属を切ろうとしているところ。切れるわけがありません。
私のところで使用している「外径一般旋削チップ」です。ねじ切チップ、溝加工チップ、内径加工チップなどなど この10倍以上の種類のチップが存在します。こんなの最初から覚えられるはずがありません。

現段階では以上のことで十分です。それ以上詰め込んでも覚えることは不可能ですし本人の気力が低下します。
このような資料を持ち出して永遠と講習などしてはいけません。
http://jp.misumi-ec.com/maker/misumi/press/tech/12.html