メーカー別に見た選び方(その2)



マザック
このメーカーはず〜っと売り上げ第一位を保っている。但し口コミでは「チョット」みたいな感じ
なので、この位置に掲載。

長所
長所で一番最初に揚げたいのが、「自動プロ」 オークマ、森精機(日立)に先立って一番最
初に、自動プログラム装置を開発している。しかも普通はどこかの電気メーカーに委託して開
発するが、マザックの場合は自社で独自の開発をしているらいい、詳細は不明、(憶測では、
ファナックデータを参考にして開発?)
個人的にはどのメーカーも、現在の自動プロに関してはそんなに大差はないように感じるが。

価格的には、三大メーカーでは一番低く設定されている。

オプションもそこそこ揃っている。但し森精機のオプション数には及ばない。

シリーズ数が多い、購入機械を選定する際、機種に困ることはない、大径加工から極小径加
工の機種まで全て揃っている。

摺動面にリニアガイドを採用しているため、タレット移動スピードが速い、但し現在では角型ス
ライドもタレットの移動速度はだいぶ速いため、リニアガイドの剛性、磨耗性を考えると、逆に
短所になってしまう可能性あり。

回転工具仕様を選択する場合は、三大メーカーでは唯一8000回転まで上がるので、ハイス
のエンドミルが姿を消しつつある状況では、選択肢になる(回転工具のギヤ比を変更してある
だけなので、トルクは犠牲になる、低回転の加工も不可)

機械本体がコンパクトに設計されているため、かなりの省スペース。


短所
やはり、摺動面にリニアガイドを採用しているのは長所でもあるあが、短所でもある機械剛性
は、オークマ、森精機に比べるとよくない。
但しメーカーの担当者は必ず、「最近のリニアは、角型とかわりませんよ」という。、

リニアガイドのため衝突した時は、100万円以上の修理代を覚悟しなければならない。平面
スライドならたいていは、タレットの取り付け位置の精度不良か、主軸台の精度不良などの
問題で済むが、リニアでは、ローラーごと交換が必要になってしまうことがある。
メーカー営業マンいわく「角型の角が割れたのを見たことがありますよ」。だって。

繰り返し精度が悪い、リニアガイドのせいなのか、ボールネジのせいなのかは不明。

熱変位による、寸法変化は森精機と同じ、空調設備が整っていない企業では寸法の変化は
避けられない。

機械見積もりの際、金額の回答が出るまでの時間が非常に長いので、短期間で機械を導入
したい時は、要注意。


どんな企業が購入するべきか。
多品種少ロット生産の企業で、「ちょっと資金力に問題が」という場合は購入の検討対象だ。

厳しい精度や堅牢な剛性を求められる場合は、問題がある。

自動プロに定評があるので、段取り時間を短縮したい場合は検討するべき。

バーフィーダーを使用した、無人運転をする場合も、いろいろなノウハウを持っているようなの
でおもしろいかもしれない。

設置スペースが限られてところでは、機械自体がかなり省スペース設計になっているため、
マザックの機種に限定されるようなケースもありそう。

生産量、1位なのでノウハウは豊富のはず。他社の見積もりで困ったときマックに相談すると
あっさり解決なんてことも、個人的な印象では、機械の導入時に困ったとき電話をかけると
「あります。」の一言。


高松機械
自動車部品の加工分野では、かなり定評のあるメーカー、量産加工のノウハウはかなりのも
のだ。三流メーカーのイメージがあるが、機械自体は三流ではない。?

長所
機械の価格設定はかなり低く設定されている。オークマの3分の2以下。

低価格のわりに、ちゃんと角型スライドを採用している。

オプションの数は、無限。

どんな特殊な仕様でも、必ず対応してくれる。
以前かなり特殊な仕様で、他メーカーに全部断られた時、高松機械に相談したところ「実績が
あります」のひとこと。

バーフィーダーを利用した無人運転は得意。

機械自体はかなりコンパクトに作られている。森精機の3分の1.。

機械購入後、操作上わからないことがあっても、電話をするとすぐ回答が得られる。他メーカ
ーでは「少々お待ちください」とか「後ほどご連絡いたします」などと言われることがある。高松
の場合はそのようなケースはまれだ。

補修部品が他社に比べるとコストパフォーマンスに優れている。

意外と頑強に作られている。

短所
段取り性は最悪、送りオーバーライドの設定はあっても早送りのときはキャンセルされてしま
い、きわどいところのタレットの移動は、かなり時間を取られる。

制御装置はファナックを採用しているため、電卓のような入力方式は不可。必ず少数点を付け
る必要がある。

制御装置の記憶容量は非常に少ない。プログラムを10本とか20本とか入れるとすぐに満タン
になってしまう。

寸法の繰り返し精度はかなり悪い、へいきで100分の1ぐらい変化する。

主軸モーターは、殆ど全ての機種でベルト方式を採用している、価格が安くなるメリットはあ
るが、高回転加工は全く不可能。

どんな企業が購入するべきか。
とにかく量産、量産品以外の加工は不可。
自動車部品などの大量生産をしている企業は購入の第一検討にしてもよい。

量産品を扱っていて、資金が足りない企業も、うってつけ。

量産品でも、厳しい精度が求められる場合は少し考慮が必要。

間違っても、一日に10回も20回も段取り替えをする企業は購入してはいけない。


中留(中村留精密工業株式会社)


短所