メーカー別に見た選び方(その1) |
このページはメーカー別に掲載する予定です、「うちは量産品の加工だ」、「うちはとにかくデ カイ物」とか、加工品別に機械の選び方の検討については、他のページで詳しく解説します。 といってもかなり不真面目なサイトなので、参考にはなりません。 オークマ 旋盤を選ぶ際に一番先頭に来るのは、やっぱり「オークマ」かな〜、口コミでもかなり良い評 判だ、機械剛性もかなりのもの、寸法精度も他社に比べるとかなり良い。 長所 タレットの摺動面が平面(すべり案内)なので、剛性が高い、タレットが平面を移動するため、 繰り返し精度が良い。衝突時も「すべり案内」はかなり強度があるので、ぶつかったときはた いていタレットや、主軸台がくるってしまうので摺動面が壊れるということは、よほどのことが ないかぎり無い。また「すべり案内」は、同じ所ばかりつかっても磨耗しにくい。 本体部に熱膨張のための工夫が随所に見られるので、室温の変化や機械温度の変化に対 しても、加工精度がかなりよい。 対話式自動プロが付いているので、プログラム作成時間は非常に短い。しかも「バカチョン」 式の機能が付いているため、加工見積もりをする際の加工時間の割り出しに威力を発揮す る。 耐久性があって長寿命。 私の経験では、サービスマンがすぐ来るイメージ。 液晶画面は今のところ、他の機械メーカーに比べると一番大きく、非常に見やすい、またタッ チ画面は便利だ。 数値の入力が電卓と同じで編集が早い、他社のプログラムの場合、数値の後に小数点の ピリオドを入力しないと、1/10000の動作になってしまうが、オークマの場合はピリオドを 挿入するする必要がない。 段取り時間を短縮するための工夫が随所に見られる。 プログラム番号の管理は、他社機に比べるとダントツに有利、他社機ではプログラム番号は 必ず「O××××」といった具合にOの次に4桁の数字を設定しなければならない、しかしオー クマの場合は、客先図面の図番をそのまま、プログラム番号にできてしまう。 「O××××」の設定方式は、客先図番と関連性がなくなってしまうと、検索不能になってしま うし、客先図番とのO番号の関連性からプログラムを探し出すのは、時間の浪費になる。 しかも、O番号管理の場合、9999本のプログラムが登録できると思いきや、1000本までしか 登録できませんとか、100本までとか言われる可能性があるが、オークマの場合は基本的に プログラムの登録本数は無制限。 短所 短所で一番最初にくるのはやっぱり、値段かな〜、とにかく高い、但し空調設備が無い会 社では、室温変化による寸法変化が他社機に比べて少ないので、すぐに元がとれる。また 丈夫にできているため、償却率の観点からも、値段の高い点はカバーできる。 機械を購入する際、なにもオプションを付けない、なんてことはありえない。ところが、オーク マの場合、オプション設定が少ないのは少々問題。 最近はやっている、VDIの設定がない、回転工具付きの旋盤の場合は、工具取り付け本数 に制限があるため、VDIの設定がないのは残念。 新しい機能、例えば数年前に森精機が発表した、心押し台がボールねじ付きで自動で動く 仕組みなど、ちょっと様子を見てからなんて感じで、後だしじゃんけんみたいに、すぐに商品 化しない。 バーフィーダーを取り付けた仕様は、オークマのもっとも苦手にする分野、バーフィーダーの 自動運転は、販売実績があまりないようで、「パーツキャッチャーをどうしろ」とか「突っ切り 異常検知」をどうしろとか「サブスピンドルの搬出を油圧押し出しに」とか「搬出コンベアはど うしろ」とか、その関係の意見は全く通らない。 NC機の購入は、家を購入する感じに似ている、キッチンはこんな感じで、とかリビングはこ んな感じでとか、結構住宅メーカーに無理をいう。残念ながらオークマは無理をいっても、な にも変更してくれない。保障が出来ないとか危険とか言って特殊なオプションは、かなり簡 単な物でなければ追加してくれない。 どんな企業が購入するべきか。 機械自体がかなり丈夫に出来ているため、超寿命だ、だが購入価格もかなりな点を考慮す ると、将来性のある会社が購入するべきだ、間違っても来年はどうなるか、わからない会社 は購入してはいけない。 段取りが早いので、多品種少ロット生産の企業や、短納期を要求される企業などは購入の 対象だ。 室温が安定せずしかも、寸法精度が求められる加工をする場合も購入の対象だ。 バーフィーダーを取り付けた仕様で、無人運転を考えている企業は、やめたほうがよい。 森精機 森精機は生産台数、加工精度、口コミ、ともに国産では、2位ということでこの位置で紹介 することにする。 長所 森精機も主力機は、オークマと同じように摺動面には「角型スライド」を使用しているため、そ こそこの剛性が期待できる。「角型スライド」のためやはり頑強だ、しかも摺動面の磨耗もリニ アガイドに比べれば、かなり長寿命が期待できる。 対話式自動プロが付いているので、プログラムの作成時間が非常に短い。 会社全体が、”やる気”に満ちている感じ。 機械の選定をする際、オプションが非常に多彩、しかもこちらの意見を積極的に取り入れて もらえる。 バー材からの加工の経験が多いらしく、バーフィーダー仕様の場合は、かなり完成度が高い 仕上がりにしてもらえる。 新しい技術を積極的に取り入れて、常にリニューアルをする。 森精機も、オークマ、マザックと同様、段取り時間を短縮するための工夫が随所に見られる。 短所 本体部分に、「あれ、こんな作りで熱変位大丈夫?」なんていうところが見受けられる、案の 定熱変位が大きく、室温が安定していない場所に設置すると、加工寸法が大きく変化する。 熱変位が大きいため、少々長めの暖機運転が必要。 機械本体が以上にデカイ、大体他社機と比べると、1.5倍の大きさを覚悟する必要がある。 設置場所に問題のある企業にとっては、大きな問題だ。 ディスプレイが小さい、Windowsのように画面を複数開いて作業する場合は、全く使えない。 今時まだ、NCプログラム番号の設定をするため、NCプログラム番号と客先図面番号の関連 付けがわからなくなってしまうと、目的のNCプログラムを探すために、時間を要してしまう。 最近では、責任のがれのため、ほんのわずかの危険性のある機能は全くと言っていいほど 取り付けない、加工屋はいつも危険と背中合わせの中で作業して、やっと採算を取れるのに ドアーが開いたら、機械ストップとか、主軸の回転が上がったら、主軸内定寸ストッパーが付け ることが出来ないとか言われると、ちょっとな〜って感じ。 どんな企業が購入するべきか。 価格帯がオークマと比べると少々低めの設定になっているため、ちょっと”ケチりたい”という 企業にはよい。 バーフィーダーを取り付ける仕様は、少々経験が豊富なので、バー材供給で自動運転をする 加工品が多い企業は購入検討対象だ。 オークマ、マザックと同様、段取りが早いので、多品種少ロット生産の企業や、短納期を要求 される企業にもよい。 機械本体がデカイため、設置スペースに問題のある企業は要注意。 熱変位による加工寸法の変化が大きいため、空調設備のない企業は購入検討からはずした ほうがよい、ただし寸法精度の要求がない加工の場合は検討してもよい。 「すべり案内]についての詳細は下記へ(加工屋さんは「角型スライド」って言ってるけど。) http://www.juntsu.co.jp/qa/qa1514.html メーカー別に見た選び方(その2) |