上の画像のような、常時付けっぱなしの工具は沢山ある、よってNC機の場合は工具を取り付
る時間は汎用機とは比べ物にならない程短い。
「工具オフセット」
「工具オフセット」について。工具オフセットとは現在取り付けてある工具の位置を、機械のコ
ンピューターに読み込ませること。やることはいたって簡単、工具をセンサーに「チョン」と当
てるだけ。誤差は機種によってまちまちだが、名のとーったメーカーのものなら、±0.01以
内の誤差だ、但し加工すると当然、材料剛性や工具剛性等の問題があるので、そのまま
加工しても必ず誤差は生じる。但しこの装置があるのと無いのとでは天と地の差だ。下に
実際の画像を掲載しておく。
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「タッチセッター」に外径仕上 げ加工の工具を当てている 画像、これで、機械はこの 工具の位置を認識する。
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寸法精度が厳しくないワークなら、これだけですぐに加工をスタートさせることが出来る。こん
なことは汎用機には、「全く」と言っていいほどありえない。
「原点設定」
材料には、必ずと言っていいほど、余分な取り代が付いている、この余分な取り代を機械に
読み込ませる必要がある、といってもNC機の場合はいたって簡単、材料の端面に基準バイ
トなるものを、またもや「チョン」と当てるだけ。下の画像はその様子。
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ワークを回転させて、基準 バイトを当てている様子。こ の場合、仕上げしろが約1_ あるので、機械には取りし ろが、「1_」と入力する。
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この動作だけで、精度の要求されていない物なら、すぐに加工ができる。これもNC機ならで
はのことだ。汎用機なら一度長めに加工して、要求の寸法まで追い込んでいくことになる。
「干渉チェック」
NC機の場合は、加工の前に入念に「干渉チェックを行う必要がある」とよく言われる、それも
そのはず、最近のNC機はとにかくタレットの早送り速度が早い、しかも移動トルクも強力だ、
そのタレットがまともにどこかにぶつかったらただではすまない。そのため「干渉チェックを行
う必要がある」というのだ。ただ残念ながらそんなことは全くと言っていいほど必要ない。オペ
レーターは自分の使用している機械について、どこでどんな風にぶつかるのか熟知している
ぶつかりそうなところだけ「チョロット」見てあげればよい。
ということで「干渉チェック」なるものは、基本的に無い。
「加工」
「加工」に関してはいうまでもない、NC機は汎用機の10倍から200倍以上の生産速度が
ある。
1.NC機は汎用機の数倍から数十倍の回転数で加工する。
2.NC機はワンチャックで複数の工程を同時に加工する。これで数倍から数十倍の差が出る
3.NC機は汎用機と違いボタンを押せば強制的に加工を開始する、それに対して汎用機は
人間の体調に左右される、特にサボり癖のある人間が扱うと全く利益が出ない。
4.NC機は寸法精度が汎用機に比べるとはるかに勝っているので、歩留まり率が良い。
5.冬場ウエットの加工では、NC機なら問題ないが、汎用機では1分加工したら5分休んで
冷たい水で冷やされた手を温める。こんなことでは当然ながら利益など期待できない。
6.NC機は加工中に、他の作業が出来る、汎用機では殆ど不可能。
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汎用機の場合のウェット加工では、 冬季には容赦なく冷たい切削油 剤が手にかかる、1分加工したら 5分の休憩だ。NC機ではありえ ない。
安い仕事なら全くの赤だ。
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NC機の加工中に、フライス加工を した部分のバリ取り作業をしている 画像。汎用機では、このような作業 は殆ど不可能。低単価の仕事は このようにして少しでも利益率をあ げる。
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こと「加工」に関して、NC機と汎用機を比較するなら、ホームページのサーバーの容量がい
くらあっても掲載不可能だ、キリコの問題、自動給油、刃もちの問題、面粗度などなどちょっ
と思い浮かんだだけでも山のように出てくるので「加工」に関してはもうこれで終了。
ここで、質問します。(答えは自由です)